2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧
(次の更新は、次の週末の予定です。しばし、またれよ。質問、反論、大歓迎です。)
(10)<外国人の視点とチンパンジーの視点> この日本語の基礎の理論的解明が進むにしたがって、言語によるコミュニケーションをする人間の意識にとって、自然言語はどのように位置づけられるかについて、筆者の理解も深まった。この点についても概要を示す…
⑼<題目—題述構造を、主題—題述構造としたうえで、文の本質とすることの問題点> 題目—題述構造は、「は」の有無に関わらず、どのような文にも見てとれるものである。「は」の入る文にしか「題目」が認められない場合は、三上説が形成した偏見によって、現実…
⑻<三上説の問題点> しかし、基礎理論を提起する立場からは、あたかも原理のように無謬性を前提にされる「は」=主題表示本務説は、その理論の形成段階と適用段階の両方で、誤っていることを指摘しなければならない。 ・文分析方法の誤り:無題化、ピリオド…
⑺<先行研究との相違点・継承する説:三尾砂説と提題の「は」理論の統合> 基礎理論の立場からすると、これまでの研究は、あまりに助詞の「は」=提題という、日本語の固有の側面に注目し、普遍的側面への関心が薄すぎることを先に指摘した。普遍的側面とは…
⑹<基礎理論の体系性の利点> 文の二元性を原理として、理論に体系的関連性を備えさせることの利点には次のようなことがある。 ①[文の原基形態としての基底文] 基底文の理論により、あらゆる文の原基的形態となる形式と機能を確定で きること。これは、また…
⑸<基底文の二元性原理の主格と述語について> 基礎理論の利点は、「は」と「が」の使い分けの理論的解決以外にもある。 それは、日本語文法理論の原理の提示である。 原理は、誰でも当然だと納得できる文に備わる事実である。すなわち、統語レベルの主格と…
⑷<二重コピュラ言語としての日本語> ⑴「は」と「が」のふたつとも、主格と述語の直接結合を示す機能があり、かつ、 ⑵文の命題内容の異なる二つのタイプ(出来事命題と関係命題)に合致する一方で、さらに、 ⑶さらに認識論的、かつ、論理的機能を担い、交差…
はじめに② ⑶<問題設定:主語+は?それとも、かつ、主題+は?> ところで、日本語には、基礎理論(交差対立理論、文の二元性理論)のような理論を一筋縄では許さない文法現象がある。 主格以外の成分にもつく「は」の存在である。たとえば、「ファックスは…
前の記事にあるような、「はしがき」から始める学術的に十分な内容を備える一書の完成を目指し、原稿を書き綴っております。 8割がた書き進んだ後、なかなか執筆作業がはかどっていません。 このテーマの研究をとうに終えて、わたしとしては、答えはもう出て…
(現在執筆中の『日本語文法の基礎理論:「は」と「が」の使い分け理論とその展開』(仮題)の原稿から抜粋しています。) はしがき① 本書は、日本語文の基本的な仕組みに関する理論書である。 基本的な文とは、形式的にも機能的にも文の最低限の要件を満た…