tadashi's blog

私は在野の研究者です。日本語教師をしながら、日本語の「は」「が」の使い分けを解明する理論に至りました。それから、この理論を文法基礎理論として体系化し、また、それらを裏付ける哲学的かつ科学的に裏付けの研究に進みました。

基底文の下位区分② 定性関係文

「定性関係文」の下位分類による例示

 

 定性関係文は、まず、名詞述語文と形容詞述語文と主格主語に「Xは」と「Xが」をとるものがある。「Xは」をとるのは、⑴相対的に恒常的な性質の関係づけを表現する文のすべて、⑵現場の現認に基づいて、一時的あるいは偶然的な関係を述べる文の一部である。「Xが」をとるものは、現場の現認に基づく有標化された定性関係文である。

 

1 名詞述語文

1−1 「カテゴリー措定文」

  1. 個体の単純措定「これはみかんだ」
  2. 個体の単純措定「小松左京はSF作家だ」
  3. カテゴリーの二重措定「パソコンは機械だ」

     1−2 「相対的恒常性を表現する関係文」

  1. 個体同一性(同定)「明けの明星は宵の明星だ」「小松左京は小松実だ」
  2. カテゴリー同一性(同定)「ジャスミンティーは茉莉花茶だ」
  3. 位置「大阪府兵庫県の東だ」
  4. 順序「夏は春の次だ」
  5. 比較「月は太陽より地球に近い」(三項文)

   1−3 「現認に基づく一時的関係を表現する関係文」

  1. 位置「本はテーブルの上だ」
  2. 順序「宿題の次は野球だ」
  3. 比較「このみかんはあのみかんより小さい」

   2 形容詞述語文

   2−1「相対的恒常性を述べる文」

     l. 外的感覚・ものの性質「うめぼしはすっぱい」「ここは暑い」

     o. ひとの性質「あの人は親切だ」

  1. 価値「この辞書はいい」

   2−2「一時的状態や現認による性質の知覚」

     q.外的感覚「このうめぼしはすっぱい」「

         r.内的感覚「頭がいたい」

   2−3「一時的状態の知覚・認識」①:形容詞述語

         p.外的感覚「雪が白い」「顔が丸い」「ここは暑い」

    o.内的感覚「歯が痛い」「気分が悪い」

     r. 感情「私は愉快だ」

     s. 価値「この辞書はいい」「あの人は悪い」

   3 静的動詞述語文

   2−4「一時的状態の知覚・認識」②:静的動詞、動詞+ている、

                     知覚動詞

    l.存在 「猫がいる」「テーブルに花がおいてある」

    m.状態 「雨が降っている」「コピー機が壊れている」

    n.知覚 「富士山が見える」