基底文の下位区分② 定性関係文
「定性関係文」の下位分類による例示
定性関係文は、まず、名詞述語文と形容詞述語文と主格主語に「Xは」と「Xが」をとるものがある。「Xは」をとるのは、⑴相対的に恒常的な性質の関係づけを表現する文のすべて、⑵現場の現認に基づいて、一時的あるいは偶然的な関係を述べる文の一部である。「Xが」をとるものは、現場の現認に基づく有標化された定性関係文である。
1 名詞述語文
1−1 「カテゴリー措定文」
- 個体の単純措定「これはみかんだ」
- 個体の単純措定「小松左京はSF作家だ」
- カテゴリーの二重措定「パソコンは機械だ」
1−2 「相対的恒常性を表現する関係文」
- 個体同一性(同定)「明けの明星は宵の明星だ」「小松左京は小松実だ」
- カテゴリー同一性(同定)「ジャスミンティーは茉莉花茶だ」
- 位置「大阪府は兵庫県の東だ」
- 順序「夏は春の次だ」
- 比較「月は太陽より地球に近い」(三項文)
1−3 「現認に基づく一時的関係を表現する関係文」
- 位置「本はテーブルの上だ」
- 順序「宿題の次は野球だ」
- 比較「このみかんはあのみかんより小さい」
2 形容詞述語文
2−1「相対的恒常性を述べる文」
l. 外的感覚・ものの性質「うめぼしはすっぱい」「ここは暑い」
o. ひとの性質「あの人は親切だ」
- 価値「この辞書はいい」
2−2「一時的状態や現認による性質の知覚」
q.外的感覚「このうめぼしはすっぱい」「
r.内的感覚「頭がいたい」
2−3「一時的状態の知覚・認識」①:形容詞述語
p.外的感覚「雪が白い」「顔が丸い」「ここは暑い」
o.内的感覚「歯が痛い」「気分が悪い」
r. 感情「私は愉快だ」
s. 価値「この辞書はいい」「あの人は悪い」
3 静的動詞述語文
2−4「一時的状態の知覚・認識」②:静的動詞、動詞+ている、
知覚動詞
l.存在 「猫がいる」「テーブルに花がおいてある」
m.状態 「雨が降っている」「コピー機が壊れている」
n.知覚 「富士山が見える」