基底文の下位区分① 事態文
A:<事態文>の下位分類による例示
無標の「事態文」は、共通の「X+が+動的動詞」形式をもち、意味機能において、眼前の出来事を描写叙述する文である。
事態文の下位的類型を列挙する。
出来事:ある対象の動きや変化を表現する。述語は動的動詞である。
a:出現・成立 「芽が出た」「歯が生えた」「ビルができた」
「料理ができた」
b:変化・運動・移動「さなぎが蝶になった」「色が褪せた」
「コマが回っている」「鞄が床に落ちた」
c:消滅 「雪が溶けた」「店からお客がいなくなった」
d:存在 「机に弁当がある」「島に人がいる」
e: 知覚 「星が見える」「変な音が聞こえる/する」
f:状態の発見 「ここが故障しています」「道がカーブしている」
事態を表す文の典型的な例を適当な種差ごとに列挙した。
どれも形式において、主格主語に「Xが」を備え、述語は動的動詞である。