tadashi's blog

私は在野の研究者です。日本語教師をしながら、日本語の「は」「が」の使い分けを解明する理論に至りました。それから、この理論を文法基礎理論として体系化し、また、それらを裏付ける哲学的かつ科学的に裏付けの研究に進みました。

基底文の下位区分① 事態文

A:<事態文>の下位分類による例示

 

 無標の「事態文」は、共通の「X+が+動的動詞」形式をもち、意味機能において、眼前の出来事を描写叙述する文である。

 事態文の下位的類型を列挙する。

出来事:ある対象の動きや変化を表現する。述語は動的動詞である。

a:出現・成立   「芽が出た」「歯が生えた」「ビルができた」

         「料理ができた」

b:変化・運動・移動「さなぎが蝶になった」「色が褪せた」

         「コマが回っている」「鞄が床に落ちた」

c:消滅      「雪が溶けた」「店からお客がいなくなった」

 

d:存在     「机に弁当がある」「島に人がいる」

 

e: 知覚      「星が見える」「変な音が聞こえる/する」

 

f:状態の発見   「ここが故障しています」「道がカーブしている」

 

 事態を表す文の典型的な例を適当な種差ごとに列挙した。

 どれも形式において、主格主語に「Xが」を備え、述語は動的動詞である。