tadashi's blog

私は在野の研究者です。日本語教師をしながら、日本語の「は」「が」の使い分けを解明する理論に至りました。それから、この理論を文法基礎理論として体系化し、また、それらを裏付ける哲学的かつ科学的に裏付けの研究に進みました。

「は」と「が」の交差対立理論の核心を表現する表

「は」と「が」の交差対立理論の核心を表現する表

 

表1:「基底文モデル」の命題内容と認識様態と「は」「が」の関係図

 

認識様態

直観(が)

判断(は)

命題内容

事態

A事態・直観<無標>

「雨降っている」

C事態・直観+判断<有標>

「雨降っている」

定性関係

B定性・関係+直観<有標>

「これみかんだ」

D定性関係・判断<無標>

「これみかんだ」

 この表は、AとDが文全体で無標であり、BとCが文全体で有標であることを示している。

 上の図を簡単に解説すると、文の命題内容は、時間軸上の特定の事態であるか、相対的に恒常的な定性関係であるかの二種類がある。事態も関係も、文を生成し発信する話者にとっての認識対象に関する命題である。

 また、文を構成する命題内容の認識様態は、直観であるか、判断であるかの二種類がある。[事態/定性関係×直観/判断]の二掛ける二で、四種の文の分類ができる。

 日本語の文の最も基本的な仕組みは、この四種の文であり、さらに複雑な構文、文型、ディスコースは、四種の文の派生形とみなすことが可能である。

 

 (次の項では、日本語文法の基礎理論の用語としての「事態」「直観」「定性関係」「判断」の概念規定を説明します。)